急制動 について

 しっかり止まるブレーキ操作ができることを目的とした課題。指定位置から3つのブレーキ(前輪・後輪・エンジンブレーキ)を使用、タイヤをロックさせないように、なるべく短い距離で安全に停止しなくてはならない。指示速度が設定され、制動距離には停止限界が設けられている。

  車種           指示速度    停止限界(乾燥路面)   (湿潤路面)
大型二輪      ・・・40km/h    11m以内  /  14m
普通二輪      ・・・40km/h    11m以内  /  14m
普通二輪小型限定・・・30km/h     8m以内  /  11m

実施
方法
1、できるだけ早めに3速ギアで指示速度に到達しておくこと。
2、できるだけブレーキの開始位置付近まで指示速度を一定に安定させておくこと。
3、ブレーキの開始位置の手前からエンジンブレーキは使用して構わない。
4、バランスよく前後輪ブレーキを使用すること。
5、停止して足を付くときは必ず左足を付くこと。
6、発進をする際は、ギアを1速にし、発進の合図及び後方確認を実施すること。
ポイント 1、速度調整を確実に行うこと。
(1) 停止限界線内で確実に停止するためには、進入時の速度を正確に調整すること。
(2) 指示速度には早めに到達するため、2速ギアでしっかり加速しておくこと。
(3) 3速ギアでは速度を調節するようにし、ブレーキの開始位置の手前からエンジンブレーキを使うこと。
(4) 停止するまでギアは3速のままにし、発進をする前に1速に戻すこと。
2、前/後輪ブレーキ操作はバランスが大切。
(1) ブレーキ開始位置から前後同時にブレーキをかけること。
(2) 急制動ではできるだけ、車体を地面に対し垂直に保つこと。
(3) ニーグリップを確実にし、制動中に体が前のめりにならないようにすること。

(4) エンジンブレーキを有効に使うため、停まる直前まで、クラッチの操作をしないこと。(エンストしても可)
(5) タイヤのロックを感じたら、直ちに一旦ブレーキを解除し、再びブレーキ操作すること。 
ありがちな失敗 1、加速操作が不円滑で制動開始までに指示速度に達しないケース。(減点のうえやり直し)
2、メーターを見ずに加速し、指示速度を大きく超えて、停止限界までに停まりきれない、または前輪をロックさせ転倒するケース。

3、技量不足から、前輪ブレーキが強くかけられず、後輪をロックさせたり停止限界内で停まることができないケース。
4、ブレーキ開始位置より手前から、前輪または後輪ブレーキを操作してしまうケース。(減点のうえやり直し)
5、ブレーキ操作とともにクラッチを握ってしまい、エンジンブレーキが使えず、停まりきれなかったり、ロックさせてしまうケース。
6、停止したとき、バランスを崩し車体を右に傾けて停止し、右足を付いてしまうケース。
7、停止した後、ギアを1速に戻さずに発進してエンストするケース。
8、発進時、合図や後方確認を忘れたり、他車の進行妨害をするケース。
注意すべきポイントは

1、速度調整を確実に行うこと。
2、前/後輪ブレーキ操作はバランスが大切。


 二輪車のブレーキ操作は四輪車に比べて非常にバランスが難しく、失敗は即事故につながる点から、しっかり練習するようにしてください。

 教習中の事故が非常に多い課題です。ブレーキのかけすぎ、特に前輪タイヤのロックは即転倒につながります。かけすぎないよう、操作は十分注意してください。

 指示速度を正確に調整して実施すれば、前輪ブレーキだけで十分停まれる課題です。急制動の成否は、速度の調節にかかっていると言っても過言ではありません。

 停止した後、自分がどのような手順で発進するか、よくイメージしておくことも大切です。
課題
一本橋
S字
クランク
スラローム(小型限定を除く)
坂道発進
急制動
波状路(大型のみ)


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