自動車教習所などに入校して免許を取ろうとする場合、せっかく大枚はたいて教習所に入ったのだから、可能な限り短い時限数で卒業していただきたい。これはどの教習所の指導員もそう思っているはずです。
指定(公認と呼ばれている)教習所は安全な運転者を輩出するという目的がありますから、もちろん運転技量が未熟であったり、道路交通法の理解がなされていないと指導員等が判断した場合、やむを得ず教習を延長させる場合があります。
指定教習所の1段階では「バイクの乗り物としての操作」の部分を重点的に教えます。この段階では教習生の方のバイクという乗り物を捉える感覚の部分が大きく、一般的に言うと年齢が若い方の方が飲み込みが早い傾向があります。
これは大変悔しいことですが、私自身もヘリの免許を取る際、23歳くらいだったときのことです。割とスムーズに訓練が進み自分の中では満足していたのですが、18歳前後の若い訓練生が後から何人か入ってきたとき、その連中のほうが、びっくりするくらい上達が早かったのを見てショックを受けたことがあります。
教習については規定されている最短という時間があり、その時間はわりと余裕をとってありますので、年齢が高いから最短では卒業できないということはありません。
教習所ではいったいどんな目的で何を教えていくのか、それを簡単に説明させていただき、指導員の話を少しでも効率よく捉えていただき、できるだけ短い時間で免許を手にしていただきたい、そういうつもりで書きました。
よく、教習生の方から「指導員によって言っていることが違う。」などというご指摘を受ける場合があります。指導員は、教習生の方が免許を取得するために必要な運転操作、知識を得ていただくため、それぞれの指導員がが分かりやすいと思う方法で、(1) 規定の課題を問題なく通過する技術、(2) 道路交通法に従った走り方、を教えようとしています。
これから免許を取ろうという目的を持ったという皆さんは、是非ご自身の上達の目標を考えてみてください。簡単に言うと「各課題を指定された道順で道路交通法に従った走行方法で走る」、これができればOKなわけです。
ですから、指導員によって言い回しは違うかもしれませんが、やっていただきたい内容はどの指導員も一緒なのです。ですから「先ほどの指導員と違うことを言われた」、と捉えるのではなくどのように運転できればいいのか、何が求められているのかということを考えてみてください。
たとえばS字の出口が左折だった場合、「ハンドルを切れ」と言う指導員と「半クラッチでアクセルを使え」という指導員がいたとします。表面上はまったく違ったことを言っているようですが、この二人の指導員が求めているのは、「安定した状態で、足を付かず小回りして通過すること。」なのです。要は危険が無いかたちでできればどんな方法でも構いません。
しつこいようですが、「各課題を指定された道順で道路交通法に従った走行方法で走る」これができれば、免許は取れます。皆さんは最終的な技能試験(技能検定)で必要な操作と走り方を習得できればいいのです。各指導員の話をよく聞いて実際にいろいろ試してみてください。極論ですが、教え方は千差万別です。できればいいのです。
このため、クラッチのついたMTの原付の存在がある以上、二輪の免許取得に教習所などいらないという考え方もできます。もっとも、現在は一発試験といわれる技能試験に合格すると、指定教習所などで取得時講習を受講しないといけませんので、教習所がいらないという言い方は適切でないかもしれませんが。
私は、未だに二輪免許取得に教習所は必要ないという考え方をしています。自分が二輪を練習できる車両と場所があれば、しかもそれが原付であったり、駐車場であったりしても技能試験を合格できる技量を得られるでしょう。
ここから先の内容は、AT限定の二輪には対応していない部分があります。何故なら私自身ATのクルマやバイクが好みではないからです。あしからず。
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